きんたろう (金太郎) Kintarou
Kintarou, the Nature Boy
ISBN4-591-03715-0 C8739 P1000E
Translation by Tom Ray and Sachiko Matsubara
page 2
むかし、 あしがら山 の 山 おく に、 きんたろう と
いう 男の子 が おかあさん と いっしょ に すんで
いました。 おとうさん は さかた の よしいえ と いう
さむらい でした が、 てき に つかまって ころされて
しまいました。
「どんな こと が あって も きんたろう を
りっぱな さむらい に しなくちや。」
おかあさん は あかんぼう の きんたろう を
だいて、 山 おく へ にげました。
--
むかし、 あしがら山 の 山 おく に、
Long ago, deep within Ashigara mountain,
きんたろう と いう 男の子 が おかあさん と いっしょ に すんで いました。
lived a boy named Kintarou together with his mother.
おとうさん は さかた の よしいえ と いう さむらい でした が、
His father was a samurai named Yoshiie Sakata,
てき に つかまって ころされて しまいました。
who was caught and killed by an enemy.
「どんな こと が あって も きんたろう を りっぱな さむらい に
しなくちや。」
"Whatever will happen, Kintarou must become a magnificent samurai."
おかあさん は あかんぼう の きんたろう を だいて、
Mother held the baby Kintarou,
山 おく へ にげました。
and escaped to the mountain interior.
--
おく = the inner part
てき = an enemy, a rival
つかまる、つかまります、つかまって = be caught
ころす、ころします、ころして = kill
verb + しなくて = must, have to ...
あかんぼう = baby
だく、だきます、だいて = hold, hug
にげる = run away, get away, escape
page 5
おかあさん は ほらあな に かくれて
きんたろう を そだてる こと に しました。
たべもの が ない ので、 山 の くだもの や 木(き) の み を
とって くわせました。 いつ の ま に か きもの は ぼろぼろ に
なり、 まるで やまんば の ような すがた に なりました。
それでも ひっしに なって きんたろう を そだてました。
--
おかあさん は ほらあな に かくれて きんたろう を そだてる こと に
しました。
Mother decided to hide themselves in a cave and bring Kintarou up.
たべもの が ない ので、
Because there was no food,
山 の くだもの や 木(き) の み を とって くわせました。
mother took and fed him the fruit of the mountain and nuts from the trees.
いつ の ま に か きもの は ぼろぼろ に なり、
Before she knew it her kimono became ragged,
まるで やまんば の ような すがた に なりました。
she came to look like the female devil in the mountain.
それでも ひっしに なって きんたろう を そだてました。
Even so, she desperately brought up Kintarou.
--
ほらあな = cave
かくれる、かくります、かくれて = hide (oneself)
そだてる、そだてます、そだてて = bring up, raise
こと に する = to decide upon, to choose
ので = because (formal)
くだもの = fruit (eating fruit)
み = a fruit (all fruits, including non edible)
木のみ = a nut
くわせる、くわせます、くわせて = feed
とる、とります、とって = take
いつのまにか = before one knows it
ぼろぼろ = ragged, worn to tatters
まるで = emphasize
まるで + 。。。 ような = just like
やまんば = female devil in the mountain
すがた = appearance, figure
それでも = and yet, still
ひっしに = desperately
page 6
おかあさん の おかげ で、 きんたろう は すくすく と
そだち、 げんきな 男の子 に なりました。
きょう も 山 の どうぶつ を あつめて すもう の
けいこ です。 どうぶつ たち を つぎつぎ と なげとばした
きんたろう が いいました。
「こんど は くま が あいて だ。 さあ、 こい!」
--
おかあさん の おかげ で、
Thanks to mother,
きんたろう は すくすく と そだち、
Kintarou grew up quickly,
げんきな 男の子 に なりました。
he became a healthy boy.
きょう も 山 の どうぶつ を あつめて すもう の けいこ です。
Also today he collects mountain animals for sumo practice.
どうぶつ たち を つぎつぎ と なげとばした きんたろう が いいました。
Flinging away mountain animals one after another, Kintarou said.
「こんど は くま が あいて だ。 さあ、 こい!」
"This time a bear is my partner. Saaa, come!"
--
おかげ = thanks to ~, owing to ~
すくすく = fast, quickly
そだつ、そだちます、そだて = grow up
あつめる、あつめます、あつめて = collect
けいこ = practice
つぎつぎ = successively, one after another
なげとばす、なげとばします、なげとばして = fling away
こんど = this time
くま = bear
あいて = a partner
page 7
くま が いきおい よく きんたろう に
くみつきました。 どっち も つよくて
なかなか しょうぶ が つきません。 それでも
えいっ! と いう かけごえ と いっしょに
くま が なげとばされました。
--
くま が いきおい よく きんたろう に くみつきました。
The bear powerfully grappled Kintarou.
どっち も つよくて なかなか しょうぶ が つきません。
Both are powerful and it is not easy to know who will win.
それでも えいっ!
But, eiii (throwing sound)!
と いう かけごえ と いっしょに くま が なげとばされました。
Together with saying his shout he threw the bear.
--
いきおい = power
いきおい よく = powerfully
くみつく、くみつきます、くみついて = grapple
どっち = which (one)
どっち も = both
つよい = strong
つよくて = strong and ...
なかなか + negative = not easily
しょうぶ = victory or defeat
しょうぶ を つける = fight it out
つく、つきます、ついて = get
かけごえ = a shout, a call, a yell
page 8
すもう に あきる と、 きんたろう は どうぶつ たち と
いっしょに 山 の なか を あるき まわりました。
木 のぼり めいじん の さる に は 木 の のぼり かた を
おしえて もらいました。 あし の はやい しか に は
山 みち の はしり かた を おそわりました。
--
すもう に あきる と、
When he got tired of sumo,
きんたろう は どうぶつ たち と いっしょに 山 の なか を あるき
まわりました。
Kintarou and the animals would walk around the interior of the mountain.
木 のぼり めいじん の さる に は 木 の のぼり かた を おしえて
もらいました。
He received the teaching of the tree climbing method from the tree
climbing expert monkey.
あし の はやい しか に は 山 みち の はしり かた を おそわりました。
From the fleet footed deer he learned the method of running the mountain paths.
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あきる、あきます、あきて = be tired of, get tired of
まわる、まわります、まわって = turn, go around ~
のぼる、のぼります、のぼって = climb
めいじん = expert
かた = how to ~, a way of ~, method
あし = foot, leg
あし の はやい = fast runner
みち = way, path
はしる、はしります、はしって = run
おそわる、おそわります、おそわって = learn, be taught
page 10
たに 川 に いる
大きな こい も
きんたろう の
ともだち でした。
かわら に とびだした とき、
きんたろう に
たすけて
もらった から です。
きんたろう は この こい に
またがり、 たきのぼり を しました。
いきおい よく 川 を のぼって いく
きんたろう は、 まるで 水 の なか を
はしって いる ように みえました。
--
たに 川 に いる 大きな こい も きんたろう の ともだち でした。
The big carp in the mountain river was also Kintarou's friend.
かわら に とびだした とき、 きんたろう に たすけて もらった から です。
The time he (carp) flew out onto the dry riverbed,
he received help from Kintarou.
きんたろう は この こい に またがり、 たきのぼり を しました。
Kintarou rode this carp, they went up the waterfall.
いきおい よく 川 を のぼって いく きんたろう は、
Kintarou went up the river powerfully,
まるで 水 の なか を はしって いる ように みえました。
he looks like he is running in the water.
--
こい = carp
たに 川 = mountain river
かわら = a dry riverbed
とびだす、とびだします、とびだして = run out, fly out
またがる、またがります、またがって = ride, mount
たき = waterfall
のぼる、のぼります、のぼって = go up, rise
いきおい = power
よく = good
いきおい よく = powerfully (adverb)
まるで = just like
ように = like
みえる、みえます、みえて = can be seen, look (like)
page 13
雨 の とき は、 どうぶつ たち と
ほらあな で あそびました。 きんたろう は
のねずみ や りす に も たべもの を わけて
あげました。 き が やさしくて 力(ちから) の つよい
きんたろう は どうぶつ たち の にんき もの です。
おかあさん は、 そんな きんたろう を みて、
「どうか りっぱな さむらい に なれます ように。」
と かみさま に 手 を あわせました。
--
雨 の とき は、 どうぶつ たち と ほらあな で あそびました。
When it rains, he plays with the animals in a cave.
きんたろう は のねずみ や りす に も たべもの を わけて あげました。
Kintarou also divided the food for the field mouse and the squirrel.
き が やさしくて 力(ちから) の つよい きんたろう は どうぶつ たち の
にんき もの です。
Kintarou whose mind is gentle and whose power is strong, is popular
with the animals.
おかあさん は、 そんな きんたろう を みて、
His mother saw that Kintarou was popular,
「どうか りっぱな さむらい に なれます ように。」
"(I ask) by all means so that he may become a magnificent samurai."
と かみさま に 手 を あわせました。
And she joined her hands to the god (pray).
--
のねずみ = a field mouse
りす = squirrel
わける、わけます、わけて = divide, share
て + あげる = to do for someone
き = mind, heart
やさしい = gentle, kind
やさしくて = gentle and ...
つよい = strong
にんき = popularity
そんな = such, like that
どうか = please, by all means
ように = such that, so as to, in such a way as to
ほらあな = cave
かみさま = god
手 を あわせる = join one's hands
あわせる、あわせます、あわせて = put together
page 14
山 で は おいしい たべもの が たくさん とれました。
あけび とり や きのこ とり は うさぎ や きつね が
てつだいました。 山いも ほり は いのしし や しか が
てつだいました。 木のみ を おとす の は さる と
りす の しごと です。 くま と たぬき が たきぎ を
あつめました。 きんたろう の すむ ほらあな は、
ふゆ に なって も たべもの や たきぎ が
山 の ように つんで ありました。
--
山 で は おいしい たべもの が たくさん とれました。
A lot of delicious food was harvested from the mountain.
あけび とり や きのこ とり は うさぎ や きつね が てつだいました。
The rabbit and fox helped to take the berries and mushrooms.
山いも ほり は いのしし や しか が てつだいました。
The wild pig and deer helped to dig the mountain yam.
木のみ を おとす の は さる と りす の しごと です。
Dropping the nuts from the tree is the work of the monkey and squirrel.
くま と たぬき が たきぎ を あつめました。
The bear and raccoon gathered firewood.
きんたろう の すむ ほらあな は、
The cave in which Kintarou lived,
ふゆ に なって も たべもの や たきぎ が 山 の ように つんで
ありました。
even if it becomes winter, food and firewood are piled up like a mountain.
--
とれる、とれます、とれて = be harvested
あけび = a fruit (berry)
きのこ = a mushroom, a toadstool
きつね = fox
てつだう、てつだいます、てつだって = help
やまいも = a yam
ほる、ほります、ほって = dig
いのしし = wild pig
木のみ = a nut, a fruit
おとす、おとします、おとして = drop
たきぎ = firewood
あつめる、あつめます、あつめて = gather, collect
つむ、つみます、つんで = pile up, load
て + も = even if
page 16
なんねん か すぎて、 あしがらやま に
また はる が やって きました。 ある 日、
きんたろう は どうぶつ たち を ひきつれ、
山 の たんけん に でかけました。
まさかり を かついだ きんたろう が
くま に またがり、 その あと から さる、
うさぎ、 たぬき、 きつね、 いのしし、
しか が つづきます。 きんたろう の
かた に は りす と のねずみ が のって
います。 みんな うれしくて ひとりでに
むね が わくわくして きます。
--
なんねん か すぎて、
Some years passed,
あしがらやま に また はる が やって きました。
spring came again to Ashigara mountain.
ある 日、 きんたろう は どうぶつ たち を ひきつれ、
One day Kintarou took the animals along with him,
山 の たんけん に でかけました。
and went out to explore the mountain.
まさかり を かついだ きんたろう が くま に またがり、
Kintarou shouldering the axe, rode the bear, and
その あと から さる、 うさぎ、 たぬき、 きつね、 いのしし、 しか が
つづきます。
after them, the monkey, rabbit, raccoon, fox, wild pig, and deer followed.
きんたろう の かた に は りす と のねずみ が のって います。
The squirrel and field mouse were riding on Kintarou's shoulder.
みんな うれしくて ひとりでに むね が わくわくして きます。
Everyone's hearts came to be beating with happiness.
--
すぎる、すぎます、すぎて = pass
ひきつれる、ひきつれます、ひきつれて = take along with
たんけん = exploration
まさかり = axe
かつぐ、かつぎます、かついで = shoulder
またがる、またがります、またがって = ride, mount
つづく、つづきます、つづいて = continue, last, follow
かた = shoulder
のる、のります、のって = be on; get in, get into, ride
ひとりでに = by itself
むね = chest, breast, heart
むね が わくわく する = one's heart beats
page 19
しばらく いく と、 ふかい たに の 上 に
でました。 下 を みたら 川 が ごうごう と
音(おと) を たて、 白い 水 けむり を あげて います。
「よわった ぞ。 これ じゃ むこう の がけ へ
わたれない。」
きんたろう が いいました。 どうぶつ たち も
がっかりして かお を みあわせました。
--
しばらく いく と、 ふかい たに の 上 に でました。
They went for a while, and came out above a deep valley.
下 を みたら 川 が ごうごう と 音(おと) を たて、
When they looked down, the river made a gougou sound,
白い 水 けむり を あげて います。
and a white water smoke was rising.
「よわった ぞ。
"I am at a loss!
これ じゃ むこう の がけ へ わたれない。」
we can not cross to the cliff on the other side."
きんたろう が いいました。
Kintarou said.
どうぶつ たち も がっかりして かお を みあわせました。
The animals also were disappointed and looked into each other's faces.
--
しばらく = for a while, for a long time
音(おと) = sound
たてる、たてます、たて = stand, put up, set up; make
音 を たてる = make sound
けむり = smoke
あげる、あげます、あげて = raise, put up, give
よわる、よわります、よわって = be at a loss
むこう = the other side
がけ = a cliff
わたる、わたります、わたって = cross, go across, go over, come over
がっかり する = be disappointed, be discouraged
みあわせる、みあわせます、みあわせて = look at each other
て form can be used as and, e.g.: がっかりして
page 21
くま が 大きな
木 を たおして はし に
しよう と しました。 でも いくら
おして も びく と も しません。
いのしし が おもいきり 木 に ぶつかりました。
それ でも えだ が すこし ゆれた だけ でした。
「よし、 おいら が やって みる。」
きんたろう が 木 の まえ に たちました。
--
くま が 大きな 木 を たおして はし に しよう と しました。
The bear tried to knock down a big tree to make a bridge.
でも いくら おして も びく と も しません。
But no matter how much he pushed, it didn't move an inch.
いのしし が おもいきり 木 に ぶつかりました。
The wild pig bumped into the tree as much as he could.
それ でも えだ が すこし ゆれた だけ でした。
And yet, the trunk only shook a little.
「よし、 おいら が やって みる。」
"All right! I'll try and see."
きんたろう が 木 の まえ に たちました。
Kintarou stood in front of the tree.
--
たおす、たおします、たおして = knock down, throw down, cut down
はし = bridge
~よう = expressing a decision to act: I will ~
~よう と する = to try to do ~
おす、おします、おして = push, press
いくら ~て も = no matter how much you ~
びく と も しない = doesn't move an inch
おもいきり = to one's heart's content, as ~ as on can
ぶつかる、ぶつかります、ぶつかって = run into, hit
えだ = a branch, a bough
それ でも = but, still, and yet, never the less
ゆれる、ゆれます、ゆれて = shake, wave
よし = good!, all right!, ok
やる、やります、やって = do ~
~て みる = to try doing, do and see
たつ、たちます、たって = stand
page 22
「それっ!」
きんたろう は りょう 手 で 力 いっぱい 木 を
おしました。 すると どう でしょう。 木 は
たちまち 音 を たてて かたむき、 がけ と
がけ を むすぶ ように して たおれました。
どうぶつ たち が とびあがって
よろこびました。 その とき、 うしろ で
こえ が しました。
「なん て 力 の つよい こども だ。」
--
「それっ!」
"There!"
きんたろう は りょう 手 で 力 いっぱい 木 を おしました。
With a lot of power, Kintarou pushed the tree with both hands.
すると どう でしょう。
Whereupon, look what happened.
木 は たちまち 音 を たてて かたむき、
The tree suddenly made a sound and leaned,
がけ と がけ を むすぶ ように して たおれました。
and fell in such a way as to link the cliff to the cliff.
どうぶつ たち が とびあがって よろこびました。
The animals jumped with joy.
その とき、 うしろ で こえ が しました。
At that time, there was a voice behind them.
「なん て 力 の つよい こども だ。」
"What a powerful child he is."
--
それっ = There!, Now!
りょう = both, two
すると = just then, whereupon
たちまち = right away, at once, suddenly
音(おと)= sound
たてる、たてます、たてて = make sound
かたむく、かたむきます、かたむいて = incline, lean
むすぶ、むすびます、むすんで = tie, bind
ように = such that, so as to, in such a way as to
たおれる、たおれます、たおれて = fall (down)
とびあがる、とびあがります、とびあがって = jump up
よろこぶ = be glad, be pleased
うしろ = the back
page 25
きんたろう が ふりむいたら、 おとも を つれた
さむらい が たって いました。
「わし は みなもと の らいこう と いう もの。
どう だ。 わし の けらい に ならない か。」
「おいら を さむらい に して くれる の か。」
きんたろう は びっくりして ききかえしました。
「おまえ なら つよい さむらい に なれる。」
らいこう が いいました。
--
きんたろう が ふりむいたら、 おとも を つれた さむらい が たって
いました。
When Kintrou looked back, the samurai who brought an attendant was standing.
「わし は みなもと の らいこう と いう もの。
"I am the person called Raiko Minamoto."
どう だ。
What do you think.
わし の けらい に ならない か。」
Won't you become my retainer?"
「おいら を さむらい に して くれる の か。」
"You mean you will make me a samurai?"
きんたろう は びっくりして ききかえしました。
Surprised, Kintarou asked back.
「おまえ なら つよい さむらい に なれる。」
"If it is you, you can become a strong samurai."
らいこう が いいました。
Raiko said.
--
ふりむく、ふりむきます、ふりむいて = turn around, look back
おとも = an attendant
つれる、つれます、つれて = take, take along, take over
わし = わたし for man from high to low
けらい = a retainer, a follower
~て くれる = to do ~ (for me)
ききかえす、ききかえします、ききかえして = ask back, throw a question back
おまえ = you for lower
なら = if it is ~
page 27
きんたろう は らいこう たち を つれて
ほらあな へ もどりました。 さむらい に なりたくて も、
おかあさん や どうぶつ たち と わかれる の は もっと かなしい
こと です。 それ でも きんたろう は きっぱり と いいました。
「おいら は 日本一 の つよい さむらい に なる。」
「よかった。。。。。。」
おかあさん は なみだ を こぼして よろこびました。
--
きんたろう は らいこう たち を つれて ほらあな へ もどりました。
Kintarou took Raiko and returned to his cave.
さむらい に なりたくて も、
Even though he wants to become samurai,
おかあさん や どうぶつ たち と わかれる の は もっと かなしい こと
です。
it is a sad thing, to part from his mother and the animals.
それ でも きんたろう は きっぱり と いいました。
And yet Kintarou clearly said.
「おいら は 日本一 の つよい さむらい に なる。」
"I will become Japans's strongest samurai."
「よかった。。。。。。」
"Good!"
おかあさん は なみだ を こぼして よろこびました。
His mother shed tears of joy.
--
わかれる = part (from), say good-bye (to)
きっぱり = clearly
こぼす、こぼします、こぼして = spill, shed
なみだ = tears
page 28
きんたろう は らいこう に ついて
みやこ へ いく こと に なりました。
どうぶつ たち は かなし そうな かお で
きんたろう を みおくりました。
「ありがとう。 みんな の こと は
けっして わすれない よ。 おかあさん、
きっと むかえ に きます。」
きんたろう は なんど も 手 を
ふり ながら あしがら山 を おりて
いきました。
--
きんたろう は らいこう に ついて みやこ へ いく こと に なりました。
It came about that Kintarou went with Raiko to the capital.
どうぶつ たち は かなし そうな かお で きんたろう を みおくりました。
With sad faces the animals saw Kintarou off.
「ありがとう。
"Thank you.
みんな の こと は けっして わすれない よ。
I will never forget you all.
おかあさん、 きっと むかえ に きます。」
Mother, without fail I will come to see you."
きんたろう は なんど も 手 を ふり ながら あしがら山 を おりて
いきました。
Kintarou went down Asigarayama while waving many times.
--
に ついて = with, together
みやこ = a capital
こと に なる = to come about that
みおくる、みおくります、みおくって = see ~ off
けっして + ない = never ~, not ~ at all
わすれる、わすれます、わすれて = forget
きっと = sure, without fail
むかえる、むかえます、むかえて = meet, welcome
なんど も = many times
手 を ふる = wave (hand)
ながら = while
page 31
みやこ へ いった きんたろう は
やがて りっぱな さむらい に なり、
名まえ(なまえ) も さかた の きんとき と かえました。
そして みなもと の らいこう の ゆうめいな
四人(よにん) の けらい の ひとり に なり、 おおえ山 に
すむ おに を たいじした そうです。
--
みやこ へ いった きんたろう は やがて りっぱな さむらい に なり、
Kintarou who went to the capital before long became a magnificent samurai,
名まえ(なまえ) も さかた の きんとき と かえました。
he changed his name to Kintoki Sakata.
そして みなもと の らいこう の ゆうめいな
四人(よにん) の けらい の ひとり に なり、
And then he became one of Raiko Minamoto's four famous retainers.
おおえ山 に すむ おに を たいじした そうです。
It is said that he got rid of the devil that lived at Oeyama.
--
けらい = retainer, follower