かぐやひめ Kaguyahime
The Bamboo Princess

ISBN4-591-03713-4 C8739 P1000E
Translation by Tom Ray, Atsushi Shimojima (ashimoji@mic.atr.co.jp), and Sachiko Matsubara page 2

むかし、 みやこ の ちかく の 村(むら) に たけとりのおきな と
よばれて いる おじいさん が いました。 おじいさん は まい日(にち)
山 へ いって たけ を とり、 それ で かご を あみ、 ざる を
つくって くらして いました。

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むかし、 みやこ の ちかく の 村(むら) に たけとりのおきな と
よばれて いる おじいさん が いました。
Long ago, in a village near the capital there was an old man called
"old man bambu cutter (taketorinookina)".

おじいさん は まい日(にち) 山 へ いって たけ を とり、
Each day the old man went to the mountain to cut bambu and,

それ で かご を あみ、 ざる を つくって くらして いました。
with that made a living by weaving baskets, and making bambu sieves.

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たけ = bambu
とり = take
たけとり = bambu cutter
おきな = old man
よぶ、よびます、よんで、呼ぶ = call
かご、籠 = basket
あむ、あみます、あんで、編む = knit, braid
ざる = a (bamboo) sieve
くらす、くらします、くらして、暮らす = make a living

page 3

ある日(ひ)、 おじいさん が たけ を きろう と したら ねもと の
ぴかぴか ひかる たけ が ありました。
「ふしぎな たけ だ。」
おじいさん は びっくりして その たけ を そっと
きって みました。 すると どう でしょう。 たけ の なか に
小さな 女の子 が いました。

--

ある日(ひ)、 おじいさん が たけ を きろう と したら ねもと の
ぴかぴか ひかる たけ が ありました。
One day, when the old man tried to cut bamboo, he saw (there was) a
bamboo with a sparkling base.

「ふしぎな たけ だ。」
"It is a mysterious bamboo".

おじいさん は びっくりして その たけ を そっと きって みました。
The old man was surprised, and gently cut and saw the bamboo.

すると どう でしょう。
Then how it is!

たけ の なか に 小さな 女の子 が いました。
Inside the bamboo there was a little girl.

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きる、きります、きって、切る = cut
きろう = let's cut
きろう と する = try to cut
ねもと = the root, the base
ぴかぴか = shiny
ぴかぴか ひかる = sparkle, glitter
ふしぎ、不思議 = a wonder, a mystery
そっと = gently, quietly, lightly
すると = and, then
どう = how

page 4

「なんて かわいい 子 だ。」
おじいさん は おおよろこび で
女の子 を だきあげ、 いえ に
つれて かえりました。
「これ は かみさま が
さずけて くださった に
ちがいない。」
おばあさん も
よろこんで 女の子 を
だきしめました。
ふたり は 女の子 を
たからもの の ように して
それは それは だいじに
そだてました。

--

「なんて かわいい 子 だ。」
"What a cute child!"

おじいさん は おおよろこび で 女の子 を だきあげ、
The old man very happily took the girl up in his arms,

いえ に つれて かえりました。
he took her back home.

「これ は かみさま が さずけて くださった に ちがいない。」
"I am certain this is a gift from the god."

おばあさん も よろこんで 女の子 を だきしめました。
The old woman also happily embraced the girl.

ふたり は 女の子 を たからもの の ように して
それは それは だいじに そだてました。
Together they treated her like a treasure and raised her very carefully.

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なんて = how!, what!
だきあげる、だきあげます、だきあげて、抱き上げる = take up in one's arms
つれる、つれます、つれて、連れる = take, take along
さずける、さずけます、さずけて、授ける = grant
くださる、くださいます、くださって、下さる = give
ちがいない = I am sure, certainly
だきしめる、だきしめます、だきしめて、抱き締める = embrace, hug close
ように = like (similar)
だいじ、大事 = important, valuable, carefully
それは それは = very, much, very much
そだてる、そだてます、そだてて、育てる = bring up, raise

page 5

ふしぎな こと に
つぎ の 日 から おじいさん が
たけ を きる たび に こがね が
ざくざく と でて きました。
おじいさん は たちまち
村 いちばん の おかねもち に
なりました。

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ふしぎな こと に つぎ の 日 から
A strange thing from the next day

おじいさん が たけ を きる たび に
each time the old man cut bambu

こがね が ざくざく と でて きました。
gold came out.

おじいさん は たちまち 村 いちばん の おかねもち に なりました。
Suddenly the old man became the richest in the village.

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たび、度 = every time
こがね = gold
ざくざく = crunch (grow out sound)
たちまち = right away, at once, suddenly
おかねもち = a rich man, the rich

page 6

女の子 は すくすく そだって、 やがて むすめさん に なりました。
まるで かがやく ように うつくしく、 かぐわしい ほど に きれいな
ところ から かぐやひめ と よばれる ように なりました。

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女の子 は すくすく そだって、 やがて むすめさん に なりました。
The girl grew up quickly, and before long she became a maiden.

まるで かがやく ように うつくしく、
She is beautiful as if sparkling,

かぐわしい ほど に きれいな ところ から
and pretty as if fragrant, and from this

かぐやひめ と よばれる ように なりました。
she came to be called Kaguyahime (fragrant princess).

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すくすく = fast, quickly
そだつ、そだちます、そだって = grow up
やがて = soon, before long, by and by
むすめ、娘 = daughter, maiden, to become a young woman
まるで + ように = as if
かがやく、かがやきます、かがやいて、輝く = shine, glitter, sparkle
かぐわしい = fragrant, sweet-smelling
ほど = about, some, or so, such
ところ = a point
よぶ、よびます、よんで、呼ぶ = call, named
ように なる = come to be, become

page 7

かぐやひめ の うつくしさ は みやこ に も しれわたり、
ひとめ みたい と いう ひと が つぎつぎ と
おじいさん の やしき に やって きました。
「かぐやひめ を ぜひとも わたし の
よめ に ください。」
男 の ひと たち は みんな 手 を
あわせて たのみました。

--

かぐやひめ の うつくしさ は みやこ に も しれわたり、
Kaguyahime's beauty was also known in the capital,

ひとめ みたい と いう ひと が つぎつぎ と
One after another, people wanting to take a look

おじいさん の やしき に やって きました。
came to the old man's residence.

「かぐやひめ を ぜひとも わたし の よめ に ください。」
"By all means, please give me Kaguyahime as my wife."

男 の ひと たち は みんな 手 を あわせて たのみました。
The men all asked with their hands put together.

--

ひとめ、一目 = a look
~ と いう ~ = before to iu explains the after to, for identity, definition,
description
つぎつぎ = one after another
やしき = a mansion, a residence
ぜひとも = without fail, by all means
よめ、嫁 = a bride, one's wife
あわせる、あわせます、あわせて、合わせる = put together
たのむ、たのみます、たのんで、頼む = ask

page 8

その なか に 雨 の 日 も かぜ の 日 も おじいさん の やしき へ
きて、 かぐやひめ を ぜひ よめ に ほしい と いう 五(ご)人(にん) の
ひと が いました。 どの ひと も みぶん が たかく たいへんな
おかねもち でした。
「かぐやひめ は かみさま から さずかった むすめ です。
だれ に も さしあげる こと は できません。」
おじいさん が いくら ことわって も
五人 は あきらめよう と しません。
おじいさん は こまって しまい、
かぐやひめ に いいました。

--

その なか に 雨 の 日 も かぜ の 日 も おじいさん の やしき へ
きて、
Among them even on rainy days and windy days there came to the old man's
residence,

かぐやひめ を ぜひ よめ に ほしい と いう 五(ご)人(にん) の
ひと が いました。
five persons who say that by all means they want Kaguyahime as a wife.

どの ひと も みぶん が たかく たいへんな おかねもち でした。
All of these (five) persons also have high social positions and are very rich.

「かぐやひめ は かみさま から さずかった むすめ です。
"Kaguyahime is a daughter granted from the god.

だれ に も さしあげる こと は できません。」
I can't give her to anybody."

おじいさん が いくら ことわって も 五人 は あきらめよう と しません。
No matter how many times the old man refuses the five men do not give up.

おじいさん は こまって しまい、 かぐやひめ に いいました。
The old man told Kaguyahime that he is completely at a loss.

--

どの = which, any
みぶん、身分 = a (social) position
だれ に も = not to anybody
さしあげる、さしあげます、さしあげて、差し上げる = give, lift
いくら = how much
ことわる、ことわります、ことわって、断る = refuse, decline
あきらめる、あきらめます、あきらめて、諦める = give up, abandon
こまる、こまります、こまって、困る = be troubled, be in trouble, be at a loss

page 9

「どの かた も りっぱな ひと ばかり だ。 おまえ も
はやく よめ に いって わしら を あんしんさせて おくれ。」
すると かぐやひめ が いいました。
「それ なら めずらしい もの を みつけて きた ひと の
ところ へ およめ に いきます。」

--

「どの かた も りっぱな ひと ばかり だ。
"The are all only magnificent people.

おまえ も はやく よめ に いって わしら を あんしんさせて おくれ。」
Please give us piece of mind and soon also become a bride."

すると かぐやひめ が いいました。
An then Kaguyahime said.

「それ なら めずらしい もの を みつけて きた ひと の
ところ へ およめ に いきます。」
"In that case I will become the bride of the person who finds rare things."

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かた = person, like ひと but polite
ばかり = about, always, only, just, almost
おまえ = you (down)
わしら = we
あんしん = peace of mind, be relieved
めずらしい、珍しい = rare, new, strange
みつける、みつけます、みつけて、見つける = find, discover

page 10

そこで おじいさん は 五人 に かぐやひめ の ことば を つたえました。
「いしづくりのみこ は てんじく へ いって ほとけさま の つかって いた
石(いし) の はち を もって きて ください。 くらもちのみこ は
ほうらい山(さん) へ
いって 白い(しろい) み の なる こがね の 木 を ひとえだ おって
きて ください。 あべのうだいじん は もろこし へ いって 火ねずみ の
かわごろも を。 おおとものだいなごん は りゅう の くび に
ある 五色(しき) の 玉(たま) を。 それから いそのかみのちゅうなごん
は つばめ が たまご と いっしょに うむ と いう
こやすがい を もってきて ください。」
みんな ひと の 手 に はいらない たからもの
ばかり です。 五人 は ぽかん と して かお を
みあわせました。 それでも なんとか 手 に
いれなくて は かぐやひめ を もらう
こと が できません。

--

そこで おじいさん は 五人 に かぐやひめ の ことば を つたえました。
Then the old man told Kaguyahime's words to the five men.

「いしづくりのみこ は てんじく へ いって ほとけさま の つかって いた
石(いし) の はち を もって きて ください。
"Prince Ishizukuri go to India and please bring a stone bowl which Buddha used.

くらもちのみこ は ほうらい山(さん) へ いって 白(しろ)い み の
なる こがね の 木 を ひとえだ おって きて ください。
Prince Kuramochi go to the mountain on the Isle of Eternal Youth,
break a branch from the golden tree that bears white fruit and bring it.

あべのうだいじん は もろこし へ いって 火(ひ)ねずみ の かわごろも を。
Right Minister Abe go to China and bring the skin clothing the fire mouse.

おおとものだいなごん は りゅう の くび に ある 五(ご)色(しき) の
玉(たま) を。
Sir Ohtomo bring the five colored jewel ball from the dragon's neck.

それから いそのかみのちゅうなごん は つばめ が たまご と
いっしょに うむ と いう こやすがい を もってきて ください。」
Mr. Isonokami please bring the shellfish that it is said was born
together with the egg of the swallow."

みんな ひと の 手 に はいらない たからもの ばかり です。
Such treasures do not enter the hands of normal people.

五人 は ぽかん と して かお を みあわせました。
The five men looked blankly at each other's faces.

それでも なんとか 手 に いれなくて は かぐやひめ を もらう
こと が できません。
And yet if they can not somehow get it into their hands, they can
not receive Kaguyahime.

--

つたえる、つたえます、つたえて、伝える = tell
てんじく、天竺 = India
ほとけさま、仏さま = Buddha
いし、石 = stone
はち、鉢 = bowl
ほうらい = Isle of Eternal Youth
み = fruit, a nut, a berry
なる、なります、なって、生る = grow, bear
こがね = gold
えだ = a branch, a bough
おる、おります、おって、折る = break, snap
うだいじん = right minister
もろこし、唐土 = China
ころも、衣 = clothes, a robe
かわ、皮 = the skin, a hide, leather
だいなごん = government (court) official
りゅう、竜 = dragon
たま、玉 = jewel (ball)
ちゅうなごん = lower government official
つばめ、燕 = a swallow
うむ、うみます、うんで、産む = bear, give birth to
こやすがい = shellfish
ばかり = only
みんな = everything, all (people)
ぽかん = blankly, absent-mindedly
みあわせる、みあわせます、みあわせて、見合せる = look at each other
それでも = and yet, still
なんとか = somehow, manage to
いれる、いれます、いれて、入れる = put ~ in, pour ~ in

page 12

いしづくりのみこ は てんじく へ いく と
うそ を つき、 みやこ を でて いきました。
あちこち の おてら を まわり、 ふるい
石(いし) の はち を みつけて きました。
それ を にしき の ふくろ に いれ、
かぐやひめ の ところ へ もって いきました。
「やっと はち を みつけて てんじく から
もどって きました。」

--

いしづくりのみこ は てんじく へ いく と うそ を つき、
みやこ を でて いきました。
Prince Isizukuri only left the capital, but told a lie that he went to India.

あちこち の おてら を まわり、
ふるい 石(いし) の はち を みつけて きました。
He went around to temples here and there,
and found and brought back an old stone bowl.

それ を にしき の ふくろ に いれ、
かぐやひめ の ところ へ もって いきました。
He put it into a brocade bag,
and brought it to Kaguyahime's place.

「やっと はち を みつけて てんじく から もどって きました。」
"Finally I found the bowl, and returned from India."

--

うそ = a lie
うそ を つく = tell a lie
あちこち = here and there
おてら = temple
まわる、まわります、まわって、回る = go around (from place to place)
みつける、みつけます、みつけて、見付ける = find, discover
にしき = (Japanese) brocade
ふくろ = bag
いれる、いれます、いれて、入れる = put ~ in, pour ~ in
やっと = at last, finally
もどる、もどります、もどって、戻る = go back, come back, return

page 13

でも かぐやひめ は
きたない はち を みて いいました。
「これ は どこか の おてら で
みつけて きた はち でしょう。
ほんとう に ほとけさま の
はち なら もっと うつくしく
ひかり かがやいて いる はず です。」
いしづくりのみこ は はずかしく なり、
こそこそ にげて いきました。

--

でも かぐやひめ は きたない はち を みて いいました。
But Kaguyahime looked at the dirty bowl and said.

「これ は どこか の おてら で みつけて きた はち でしょう。
"This a bowl that you could find and bring from any temple, isn't it.

ほんとう に ほとけさま の はち なら もっと うつくしく
ひかり かがやいて いる はず です。」
If this was truly Buddha's bowl, it ought to shine with a more beautiful light.

いしづくりのみこ は はずかしく なり、 こそこそ にげて いきました。
Prince Ishizukuri became embarrassed, and secretly ran away

--

どこか = somewhere, anywhere
なら = if
もっと = more
ひかり、光 = light
かがやく、かがやきます、かがやいて、輝く = shine, glitter, sparkle
はず、筈 = be to ~, should, must
こそこそ = secretly
にげる、にげます、にげて、逃げる = run away, get away

page 14

くらもちのみこ は ほうらい山(さん) へ いく と いって ふね に
のりこみました。 でも ほうらい山 が どこ に ある の か も
わかりません。 そこで こっそり もどる と、
こがねざいく の めいじん たち を あつめて こがね の えだ を
つくらせました。 さすが は めいじん たち です。 かぐやひめ に も
ほんもの と みわけ が つかない ほど でした。
かぐやひめ が こまって いる と そこ へ めいじん たち が
てがみ を とどけました。

--

くらもちのみこ は ほうらい山(さん) へ いく と いって ふね に
のりこみました。
Prince Kuramochi said he will go to the mountain on the Isle of Eternal Youth
and boarded a ship.

でも ほうらい山 が どこ に ある の か も わかりません。
But he doesn't know where the Isle of Eternal Youth is.

そこで こっそり もどる と、
Thereupon when he returned,

こがねざいく の めいじん たち を あつめて こがね の えだ を
つくらせました。
he gathered some goldwork masters and had them make a golden branch.

さすが は めいじん たち です。
As may be expected they are masters.

かぐやひめ に も ほんもの と みわけ が つかない ほど でした。
Kaguyahime also could not make such a distinction from the genuine.

かぐやひめ が こまって いる と そこ へ めいじん たち が
てがみ を とどけました。
Kaguyahime was trouble, and then the masters delivered a letter to her.

--

のりこむ、のりこみます、のりこんで、乗り込む = board
そこで = then, thereupon
こっそり = secretly, in secret
こがね = gold
さいく、細工 = work
めいじん、名人 = an expert, a master
あつめる、あつめます、あつめて、集める = gather, collect
えだ = branch
さすが、流石 = as may be expected
ほんもの、本物 = a real thing, real, genuine
みわけ、見分け = a distinction
ほど = such
こまる、こまります、こまって、困る = be troubled, be in trouble
とどける、とどけます、とどけて、届ける = deliver

page 15

「こがね の えだ を つくった の に
くらもちのみこ は おかね を はらって
くれません。 どうか ひめ の ほう で はらって ください。」
たちまち にせもの と わかり、 くらもちのみこ も あわてて
にげかえりました。

--

「こがね の えだ を つくった の に くらもちのみこ は おかね を はらって
くれません。
"In spite of our making the gold branch, Prince Kuramochi did not pay us.

どうか ひめ の ほう で はらって ください。」
Please princess pay us from your side."

たちまち にせもの と わかり、
くらもちのみこ も あわてて にげかえりました。
Suddenly upon knowing of the counterfeit,
Prince Karamochi confusedly ran away.

--

の に = in spite of
はらう、はらいます、はらって、払う = pay
て + くれる = do for me (us)
どうか = please
ひめ = princess
ほう = direction, way
たちまち = right away, at once, suddenly
にせもの、偽物 = an immitation, a counterfeit, a fake
あわてる、あわてます、あわてて、慌てる = be confused, be flurried, confusedly
にげかえる = run away and go back

page 16

あべのうだいじん は もろこし の ふね が くる みなと へ いって
たくさん の かね を はらい、 火ねずみ の かわごろも を 手 に
いれました。
かぐやひめ が はこ を あける と うつくしい かわごろも が はいって
いました。
「これ は てんじく の おぼうさま が はるばる もろこし へ もって
きた もの です。」
うだいじん が とくい に なって せつめい しました。

--

あべのうだいじん は もろこし の ふね が くる みなと へ いって
たくさん の かね を はらい、
Right Minister Abe went to the harbor where the ship came from China
and paid a lot of money,

火ねずみ の かわごろも を 手 に いれました。
he got the skin of the fire mouse.

かぐやひめ が はこ を あける と うつくしい かわごろも が はいって
いました。
She opened the box and found a beautiful skin.

「これ は てんじく の おぼうさま が はるばる もろこし へ もって
きた もの です。」
"This is a thing that an Indian monk brought all the way to China."

うだいじん が とくい に なって せつめい しました。
The Right Minister proudly explained.

--

もろこし = China
みなと = port, harbor
手 に いれる = get, acquire
てんじく = India
おぼうさま = monk
はるばる = all the way
とくい = proud
とくい に なって = proudly

page 17

「それでは 火 の なか に いれて みましょう。
火ねずみ の かわごろも なら もえる こと は ありません。」
ところが 火 の なか の かわごろも は たちまち もえだして
しまいました。 うだいじん は かっ と して いいました。
「あの しょうにん め、 よくも わし を だました な。」

--

「それでは 火 の なか に いれて みましょう。
"Then let's put it in the fire and see.

火ねずみ の かわごろも なら もえる こと は ありません。」
If it is the skin of the fire mouse it will not burn."

ところが 火 の なか の かわごろも は たちまち もえだして
しまいました。
But regretably in the fire, the skin immediately began to burn.

うだいじん は かっ と して いいました。
The Right Minister became angry and said.

「あの しょうにん め、 よくも わし を だました な。」
"That despicable merchant, how dare he cheat me."

--

いれる、いれます、いれて、入れる = put ~ in
もえる、もえます、もえて、燃える = burn, catch fire
ところが = but
だす = begin to ~, start ~ing
しまいます = regret, completely
かっ = get angry
しょうにん、商人 = a storekeeper, merchant
よくも = how dare ~ ?, How can ~ ?
だます、だまします、だまして = deceive, cheat

page 18

おおとものだいなごん は じぶん で ふね に のり、 りゅう を さがし に
でかけました。 おき に でた とたん、 ひどい あらし に なりました。
ふね は このは の ように ゆれ、 いまにも しずみ そうです。
「りゅう を つかまえよう と した から りゅう王(おう)さま が
おこりだした の だ。」
せんどう たち も ふるえあがりました。 だいなごん は もう いきた
ここち も ありません。 おもわず 手 を あわせて さけびました。
「りゅう王 さま どうか おゆるし ください。 もう りゅう の 玉(たま) を
ほしがったり しません から。」
それ でも 三(みつ)日(か) 三(み)ばん 海 は あれつづけ、
ようやく はまべ に ながれつきました。 だいなごん は それっきり
かぐやひめ の ところ へ は いきません でした。

--

おおとものだいなごん は じぶん で ふね に のり、
りゅう を さがし に でかけました。
Sir Ohtomo got on a ship by himself and went out to search for a dragon.

おき に でた とたん、 ひどい あらし に なりました。
As soon as he set off, it became terribly stormy.

ふね は このは の ように ゆれ、 いまにも しずみ そうです。
The ship shook like a leaf, and was about to sink.

「りゅう を つかまえよう と した から りゅう王(おう)さま が
おこりだした の だ。」
"Because I tried to catch a dragon the dragon king got angry."

せんどう たち も ふるえあがりました。
The boatmen also trembled violently.

だいなごん は もう いきた ここち も ありません。
Sir Ohtomo didn't feel alive any more.

おもわず 手 を あわせて さけびました。
Without thinking he put his hands together in prayer and shouted.

「りゅう王 さま どうか おゆるし ください。
"Dragon king please forgive me.

もう りゅう の 玉(たま) を ほしがったり しません から。」
I no longer dare to want a dragon's ball."

それ でも 三(みっ)日(か) 三(み)ばん 海 は あれつづけ、
And yet the sea remained rough for three days and three nights,

ようやく はまべ に ながれつきました。
finally they floated to the beach.

だいなごん は それっきり かぐやひめ の ところ へ は いきません でした。
After that Sir Ohtomo did not return to the place of Kaguyahime.

--

りゅう = dragon
さがす、さがします、さがして、捜す = look for, search for
おき、沖 = the offing
でる = leave
とたん = as soon as ~, at the very moment
あらし、嵐 = storm
このは、木の葉 = a leaf
ゆれる、ゆれます、ゆれて、揺れる = shake, wave
いまにも、今にも = be ready to ~
しずむ、しずみます、しずんで、沈む = sink, go down
そうです = is about to (for verbs), looks as if (for adjectives)
つかまえる、つかまえます、つかまえて、捕まえる = catch, catch hold
lets + と する = to try to
おこる、おこります、おこって、怒る = get angry
せんどう、船頭 = boatman
ふるえあがる、ふるえあがります、ふるえあがって、震え上がる = tremble violently
ここち、心地 = a feeling
もう = already, another, not ~ more
いきる、いきます、いきて、生きる = live, be alive
おもわず、思わず = in spite of oneself, unconciously
手 を あわせる = put hands together to prey
さけぶ、さけびます、さけんで、叫ぶ = cry (out), shout
ゆるす、ゆるします、ゆるして、許す = forgive
どうか = please
玉、たま = ball (in this case, transparent)
ほしがる、ほしがります、ほしがって、欲しがる = want
~たり しません (~たり しない) = don't do anything such as ~
あれる、あれます、あれて、荒れる = be rough, be stormy
つづく、つづきます、つづいて、続く = continue, last, follow
verb + つづく = to continue verb-ing
ようやく = finally
ながれる、ながれます、ながれて、流れる = flow, stream, run
それっきり = since then

page 21

いそのかみのちゅうなごん は ほくほく して いました。
つばめ の す なら どこ に でも あります。 ある 日、
天(てん)子(し)さま の
ごてん に ある くら の のきした に つばめ の す を みつけました。
さっそく けらい たち に あしば を つくらせ、 かご を つりました。
かご に のった ちゅうなごん が す の なか に 手 を いれる と
こやすがい が ありました。
「みつかった ぞ! はやく かご を おろせ。」
けらいたち が あわてて つな を もちあげたら、 かご が おっこち、
ちゅうなごん も あおむけ に たおれました。 それ でも こやすがい を
しっかり と にぎって います。 でも、 よく よく みて みたら つばめ
の ふん でした。

--

いそのかみのちゅうなごん は ほくほく して いました。
Mr. Osonokami was very pleased.

つばめ の す なら どこ に でも あります。
In the case of swallow's nests, they are everywhere.

ある 日、 天(てん)子(し)さま の
ごてん に ある くら の のきした に つばめ の す を みつけました。
One day he found a swallow's nest under the eaves of the storehouse
of the emperor's mansion.

さっそく けらい たち に あしば を つくらせ、 かご を つりました。
Right away he had his men make a scaffolding, and hang a basket.

かご に のった ちゅうなごん が す の なか に 手 を いれる と
こやすがい が ありました。
Mr. Osonokami got in the basket and put his hand in the nest and the
shellfish was there.

「みつかった ぞ! はやく かご を おろせ。」
"I found it! Quickly bring down the basket."

けらいたち が あわてて つな を もちあげたら、 かご が おっこち、
ちゅうなごん も あおむけ に たおれました。
While his men hurriedly let the rope up, the basket fell,
Mr. Osonokami also fell down on his back.

それ でも こやすがい を しっかり と にぎって います。
He was still holding the shellfish firmly.

でも、 よく よく みて みたら つばめ の ふん でした。
But, when they looked closely, there was a swallow's dropping.

--

ほくほく = be very pleased
つばめ = swallow (bird)
す = nest
どこ に でも ある = are everywhere
天子、てんし = emperor
ごてん = mansion
くら、蔵 = a storehouse
のきした に、軒下 に = under the eaves
みつける = find
さっそく = right away
けらい = his men
あしば = a footing, scaffolding
かご = palanquin
つる、つります、つって、吊る = hang
いれる、いれます、いれて、入れる = put ~ in
こやすがい = shellfish
つな = rope
もちあげる、もちあげます、もちあげて、持ち上げる = lift, hold up
おっこちる、おっこちます、おっこちて、落っこちる = fall, drop
あおむけ に = on the back
たおれる、たおれます、たおれて、倒れる = fall down
しっかり = firmly
にぎる、にぎります、にぎって、握る = grasp firmly
ふん = dropping
よく よく = well

page 22

だれ も よめ に する こと が できなかった かぐやひめ は ますます
うつくしく なって いきました。 ところが それから 四(よ)年(ねん)
め の 春(はる) が きた ころ です。
かぐやひめ が 月(つき) を ながめて は なみだ を ながす ように
なりました。
「なにか しんぱい ごと でも ある の かい。」
おじいさん が きいて も おばあさん が きいて も やさしく ほほえんで
くび を ふる ばかり です。 それでも 月 が まるく なる に つれて、
かぐやひめ は ますます かなし がり、 すすりなく ように なりました。

--

だれ も よめ に する こと が できなかった かぐやひめ は ますます
うつくしく なって いきました。
Kaguyahime who nobody could make their bride became increasingly beautiful.

ところが それから 四(よ)年(ねん) め の 春(はる) が きた ころ
です。
However, it happened about when the Spring came in the fourth year after that.

かぐやひめ が 月(つき) を ながめて は なみだ を ながす ように
なりました。
Kaguyahime came to shed tears whenever she looked at the moon.

「なにか しんぱい ごと でも ある の かい。」
"Is there anything worrying you, or something?"

おじいさん が きいて も おばあさん が きいて も やさしく ほほえんで
くび を ふる ばかり です。
No matter whether the old man asked or the old woman asked, she only smiled
gently and turned her head.

それでも 月 が まるく なる に つれて、
But as the moon became round,

かぐやひめ は ますます かなし がり、
すすりなく ように なりました。
Kaguyahime came to show more sadness and weep.

--

よめ、嫁 = bride
ますます = increasingly
だれ も ~ない = nobody
ところが = however, but
よ、四 = four
# め = nth
きた = past of くる
ころ = about when, approximately when
ころ です = it was about when
ながめる、ながめます、ながめて、眺める = look
なみだ、涙 = tear
ながす、ながします、ながして、流す = shed
ように なる = becomes a custom, or habit, a reccurent event
~して は + * する = whenever doing ~ do *
なにか = something
かい = like か, making a question, more informal
きく、ききます、きいて = ask (question, not request)
ほほえむ、ほほえみます、ほほえんで、微笑む = smile
ふる、ふります、ふって、振る = turn
ばかり = only, just
それでも = but
まるく、まるい = round
つれて = as
がり = feel, want, desire
すすりなく、すすりなきます、すすりないて、すすり泣く = weep

page 24

「おまえ の かなし そうな すがた を
みて いる と わたし まで かなしく
なって しまう。」
「おねがい だ から わけ を はなして
おくれ。」
おじいさん も おばあさん も
なみだ を ながして いいました。
すると かぐやひめ も 目(め) に いっぱい
なみだ を ためて いいました。
「じつ は わたし は 月 の みやこ の
もの です。 こんど 十(じゅう)五(ご)夜(や) の ばん が
きたら 天人 たち が むかえ に
やって きます。 わたし を かわい がって
くれた おとうさま や おかあさま と
わかれる の か と おもう と それ が
かなしくて......」

--

「おまえ の かなし そうな すがた を みて いる と わたし まで かなしく
なって しまう。」
"It also makes me sad to see your sad appearance."

「おねがい だ から わけ を はなして おくれ。」
"Please tell us the reason why."

おじいさん も おばあさん も なみだ を ながして いいました。
said the old man and old woman, shedding tears.

すると かぐやひめ も 目(め) に いっぱい なみだ を ためて いいました。
And then Kaguyahime's eyes filled with tears and she said

「じつ は わたし は 月 の みやこ の もの です。
"To tell the truth, I am (a thing) of the capital of the moon."

こんど 十(じゅう)五(ご)夜(や) の ばん が きたら
When the night of the next full moon comes

天人 たち が むかえ に やって きます。
the people from heaven will come to get (me).

わたし を かわい がって くれた おとうさま や おかあさま と
わかれる の か と おもう と それ が かなしくて......」
Thinking that I leave my loving mother and father I am sad..."

--

や、夜 = night
じゅうごや、十五夜 = night of a full moon
きたら = if something comes
天人、てんにん = people from heaven
天 = heaven
むかえ に くる = come for, come to get something
かわい がる = love
くれた = thankfulness
わかれる、わかれます、わかれて、別れる = depart from
すがた = appearance
わけ = reason (why)
ためる、ためます、ためて、溜める = store, save, collect
じつ は = to tell the truth, to be honest

page 25

「そんな こと を させる もん か。」
おじいさん が いいました。
「だれ が きたって わたす もの です か。」
おばあさん も なき ながら いいました。

--

「そんな こと を させる もん か。」
"We will not permit such a thing,"

おじいさん が いいました。
the old man said.

「だれ が きたって わたす もの です か。」
"No matter who comes we will not hand you over,"

おばあさん も なき ながら いいました。
the old woman said while crying.

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させる、させます、させて = make a person ~, let a person ~
もん か = very strong negation (informal form)
もの か = very strong negation (polite form)
わたす、わたします、わたして、渡す = hand (over), give
なく、なきます、ないて、泣く = cry

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おじいさん は 天子さま に たのんで
かぐやひめ を まもって もらう こと に しました。
十五夜 の 日 が くる と、 天子さま の けらい が
二(に)千(せん)人(にん) も きて おじいさん の やしき の まわり を
かこみました。 やね の 上 に も ゆみや を もった
けらい が ずらり と ならび、 月 の みやこ の ひと を
ひとり のこらず うちとって しまおう と
まちかまえました。
かくやひめ は やしき の いちばん おく の
へや に いれられ、 おじいさん と おはあさん が
しっかり と だきかかえました。
やがて よる に なり、 まん月(げつ) が
のぼり はじめる と、 空(そら) が まひる の ように
あかるく なりました。

--

おじいさん は 天子さま に たのんで かぐやひめ を まもって もらう
こと に しました。
The old man decided to ask the emperor to protect Kaguyahime.

十五夜 の 日 が くる と、
When the day of the full moon came,

天子さま の けらい が 二(に)千(せん)人(にん) も
as many as 2000 of the emperor's attendants

きて おじいさん の やしき の まわり を かこみました。
came and surrounded the old man's home.

やね の 上 に も ゆみや を もった けらい が ずらり と ならび、
The attendants holding bows and arrows are even lined up on the roof,

月 の みやこ の ひと を ひとり のこらず うちとって しまおう と
まちかまえました。
ready to kill every one of the moon capital people.

かくやひめ は やしき の いちばん おく の へや に いれられ、
Kaguyahime was put in the deepest room of the house, and

おじいさん と おはあさん が しっかり と だきかかえました。
the old man and woman held her firmly in their arms.

やがて よる に なり、
Before long it became evening,

まん月(げつ) が のぼり はじめる と、
the full moon began to rise and,

空(そら) が まひる の ように あかるく なりました。
the sky became bright like high noon.

--

天子、てんし = emperor
たのむ、たのみます、たのんで、頼む = ask (a request)
まもる、まもります、まもって、守る = protect, defend
もらう = following まもって expresses gratitude
~ こと に する = decide to do ~
けらい = an attendant
やしき = home (large)
まわり = surround
まわり に = around something
かこむ、かこみます、かこんで、囲む = surround
# も = as many as #
やね、屋根 = roof
ゆみや、弓矢 = bow and arrow
もつ、もちます、もって、持つ = hold
ずらり と ならぶ = in a row, sit in a row, be lined up
ひとり のこらず = everybody (in a group)
うちとる、うちとります、うちとって、討ち取る = slay, kill
まちかまえる、まちかまえます、まちかまえて、待ち構える = be ready for
おく の = deep
いれる、いれます、いれて、入れる = put something in
しっかり と = firmly
だきかかえる、だきかかえます、だきかかえて、抱き抱える = hold in one's arms
やがて = before long
よる に なる = it becomes evening
まん月 = full moon
のぼる、のぼります、のぼって、昇る = rise
まひる、真昼 = high noon
ように = like
あかるい = light, bright

page 28

すると 大きな くも が ゆっくり と おりて きました。 くも の 上 に
は くるま を かこむ ように して おおぜい の 天人 たち が
たっていました。 うっとり と ながめて いた けらい たち が あわてて ゆみ
に や を つがえました。 ところが どう した と いう の でしょう。
みんな 力 が ぬけて しまい、 どうして も からだ を うごかすこと が
できません。
天人 たち を のせた くも が にわ から すこし 上 の ところ で
とまりました。 すみきった こえ が ひびき わたりました。
「たけとりのおきな、 かぐやひめ を むかえ に きました。
これ まで ひめ を そだてて くれて ありがとう。」
その とたん、 しめきって いた やしき の と が 音(おと) も なく
あいて、 かぐやひめ が ふたり の そば を はなれました。

--

すると 大きな くも が ゆっくり と おりて きました。
And then a large cloud came down slowly.

くも の 上 に は くるま を かこむ ように して おおぜい の 天人 たち
が たっていました。
Above the cloud, there stood a great many people from heaven,
as if surrounding the cart.

うっとり と ながめて いた けらい たち が あわてて ゆみ
に や を つがえました。
The attendants who were looking absorbedly, hastily fixed their bows.

ところが どう した と いう の でしょう。
However, what happened to them?

みんな 力 が ぬけて しまい、
どうして も からだ を うごかすこと が できません。
The power went out from all of the attendants,
and they could not move their bodies at all.

天人 たち を のせた くも が にわ から すこし 上 の ところ で
とまりました。
The cloud on which the people from heaven were riding stopped a little
above the garden.

すみきった こえ が ひびき わたりました。
A very clear voice sounded all over.

「たけとりのおきな、 かぐやひめ を むかえ に きました。
"Old man bambu cutter, we came for Kaguyahime.

これ まで ひめ を そだてて くれて ありがとう。」
Thank you for raising the princess until now."

その とたん、
At that moment,

しめきって いた やしき の と が 音(おと) も なく あいて、
the completely closed door of the house opened without a sound,

かぐやひめ が ふたり の そば を はなれました。
Kaguyahime departed from the company of her parents.

--

くも、雲 = cloud
ゆっくり と = slowly
かこむ、かこみます、かこんで、囲む = enclose, surround
おおぜい の = many, a great number of
うっとり = absorbedly, be charmed
ながめる、ながめます、ながめて、眺める = look
あわてて = hastily
ゆみ = bow
つがえる、つがえます、つがえて = fit, fix
ぬける、ぬけます、ぬけて、抜ける = come out, be missing
どうして も = by all means (positive sentence), will not (negative sentence)
うごかす、うごかします、うごかして、動かす = move
のせる、のせます、のせて、乗せる = give a ride, pick up
すみきった = very clear (eg. water, voice)
ひびく、ひびきます、ひびいて、響く = sound
わたる、わたります、わたって、渡る = cross, go across, go over, come over
むかえる、むかえます、むかえて、迎える= meet, welcome
これ まで = until now
そだてる、そだてます、そだてて、育てる = raise
その とたん = as soon as, immediately after, at the very moment
しめきる、しめきります、しめきって = completely closed, locked
と、戸 = door (sliding)
あく、あきます、あいて、開く = open
そば、側 = by, beside, neighborhood
はなれる、はなれます、はなれて、離れる = leave

page 30

かぐやひめ は にわ へ でる と 天(てん)女(によ) の はごろも を
まといました。
「おとうさま、 おかあさま、 おわかれ です。 どうか これ を
わたし と おもって たいせつ に して ください。」
かぐやひめ は きて いた きもの を おじいさん に
わたして くるま に のりました。

--

かぐやひめ は にわ へ でる と 天(てん)女(によ) の はごろも を
まといました。
Kaguyahime went out to the garden and she wore a heavenly woman's robe of
feathers.

「おとうさま、 おかあさま、 おわかれ です。
"Father, mother, it is farewell.

どうか これ を わたし と おもって たいせつ に して ください。」
Please think of this as me and treat it as valuable."

かぐやひめ は きて いた きもの を おじいさん に
わたして くるま に のりました。
Kaguyahime gave the kimono whe was wearing to her father and got in the car.

--

はごろも、羽衣 = robe of feathers
まとう、まといます、まとって、纏う = wear
おわかれ、お別れ = farewell
どうか = please
おもう、おもいます、おもって、思う = think
これ を わたし と おもう = think of this as me
たいせつな、大切な = important, valuable
きる、きます、きて、着る = wear
わたす、わたします、わたして、渡す = hand over, give

page 31

「さようなら。」
天人 たち に かこまれた かぐやひめ は
まん月 の ひかり かがやく なか を
たかく たかく のぼって いきました。

--

「さようなら。」
"Sayonara."

天人 たち に かこまれた かぐやひめ は
Kaguyahime surrounded by the heavenly people

まん月 の ひかり かがやく なか を たかく たかく のぼって いきました。
went up up in the shining light of the full moon.

--

かこむ、かこみます、かこんで、囲む = surround
ひかり、光 = light (visible)
かがやく、かがやきます、かがやいて、輝く = shine
のぼる、のぼります、のぼって、昇る = go up